ブランドのバッグを買えば形として残るし売ることもできるが、旅行はなにも残らない。……たしかに一理あるかもしれないが、お金を稼ぐ人の多くは、学びや遊びにお金をかけて人生を切り開いている。「ものより経験にお金をかける」習慣は、自分の内面を磨く投資なのだ。※本稿は、有川真由美『お金の不安がなくなる小さな習慣』(毎日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
お金をふやすために
自分なりの方法を見つける
手持ちのお金をふやしていく方法は、シンプルに考えて二つしかありません。「出ていくお金を減らすこと」と「入ってくるお金をふやすこと」です。
将来が不安なとき、多くの人は、まず節約して貯金することを考えるかもしれません。給料が会社規定などで決まっていて、さほどふえる見込みがないこともあるでしょう。
しかし、多くの人は定年後、年金だけで生きていける時代ではなくなりつつあります。昨今は物価も上がり、税金の負担も重くのしかかる状態が続いています。「貯める」だけでなく、自分で「ふやす」ことも考えて動く必要性が出てきています。
手持ちのお金をふやしていくための行動は、おもにつぎの3つです。
(1)節約をする(無駄遣いをしない、生活スタイルを見直すなど支出を減らす)
(2)投資をする(投資信託、株や金、不動産などの購入でお金に働いてもらう)
(3)収入をふやす(昇進、資格・技術手当、副業、転職、起業など働き方を変える)
生涯にわたってお金で困らないためには、「節約」「投資」「収入アップ」の3つのアプローチを並行して進めたり、自分なりの方法を見つけたりするといいでしょう。
夫の遺族年金で暮らしている友人は、お金を遣わない暮らしをしているので、貯まったお金で年に1回は海外旅行するほど。かつてのフリーライター仲間で、収入が不安定なために不動産投資を研究し、小さなビルを買って家賃収入を得ている人もいます。
私はいまは堅実な生活や投資の比重より、「自分にどんどん投資して働こう」というスタンス。ですが、年齢を重ねると、そのバランスは変わってくるかもしれません。
自分なりのお金をふやす方法を見つけさえすれば、将来の不安は小さくなるのです。
お金を稼ぎ続けている人たちは
よく学び、よく遊び、よく働く
お金を稼ぎ続けている人たちは、何歳になっても習いごとをしたり、好奇心をもって学んだり、どんなに忙しくても趣味や遊びに熱中したりしている印象があります。
ひと昔前は、20歳前後まで学び、定年まで同じ会社でめいっぱい働き、老後は働かずに遊んで暮らすという「学ぶ→働く→遊ぶ」という人生が一般的でした。
しかし、現代は“老後”という発想がなくなる時代を迎えています。70歳まで働くとしたら、約50年間の長い仕事人生、職場も職種も変化していくのは自然な流れ。