集団行動ができない、友だちとのコミュニケーションがうまくいかない、集中力がない、ミスや忘れ物が多い、相手の話を聞いていない……近年、発達障害と呼ばれる子どもが劇的に増えているのをご存じでしょうか。しかし、小児科医の成田先生によると、本当に発達障害と診断されるお子さんはそこまで多いわけではないそうです。前回に引き続き、今回は35年にわたって子どもの脳・育ちに向き合ってきた成田奈緒子さんの新刊『「発達障害」と間違われる子どもたち』から睡眠がもたらす子どもへの影響について抜粋して紹介いたします。
脳が発達する順番は、どんな人でも変わらない
子どもの発達を考えるうえで重要となるのが、脳が育つ仕組みです。
人間の脳は生まれてから約18年をかけて、さまざまな機能を獲得しながら発達していくのですが、じつは脳の発達する順番はどんな人でも同じなのをご存じでしょうか。
まず最初に発達するのが、脳の一番中心にある「からだの脳」、その次が大脳にある「おりこうさん脳」、最後に育つのが前頭葉にある「こころの脳」。それぞれの機能・場所について簡単に説明しましょう。