「感情マネジメント」がデキるリーダーの絶対条件、人が抱く2185種の感情の活用法写真はイメージです Photo:PIXTA

仕事を円滑に進めるために「感情マネジメント」の重要性が注目されている。自分や他者の感情を理解し、それに合わせた対応を取るというものだ。とはいえ、これまで「感情は仕事の場に持ち込んではいけない」と言われることも多かったはず。なぜ感情に着目することが大切なのか。感情マネジメントについての著書がある池照佳代氏に聞いた。(フリーライター 有井太郎)

自分の感情パターンを知り
仕事の組み立て方に反映する

 今日は何となくやる気が出ない、あの上司は嫌いだ……。職場でそんな感情が芽生えたとき、グッと気持ちを押し殺そうとする人も多いはずだ。仕事場では感情に左右されてはいけない、私情を挟んではいけないと考えてきた人もいるだろう。だが、より良い組織やチームを作るためには、自分や他者の感情に着目することが重要だという見方もある。

 アイズプラスの池照佳代氏は『感情マネジメント 自分とチームの「気持ち」を知り最高の成果を生み出す』(ダイヤモンド社)を上梓した。組織向けのコンサルティングを行う池照氏は、良い組織やチーム、あるいは人間関係を築く上で感情の重要性に着目してきた。

「さまざまな組織のリーダーを見ていくと、部下の掌握がうまい人や人望が厚い人がいます。そういった人は、自分や他者の感情を理解し、マネジメントにうまく活用している可能性があるのです」

 自分や他者の感情を理解し、マネジメントに活用する――。これは一体どういうことなのだろうか。

「誰にでも時間帯やシチュエーションによって感情の波がありますよね。たとえば朝一番は気分が良く、他者と好意的に接することができるけれど、夕方は疲れがたまり、厳しい言動をしがちな人がいるとします。であれば、メンバーとのミーティングはなるべく午前中に入れ、夕方は部下との深いコミュニケーションを避けるなど、まずは自分自身の感情を理解し、それに合わせた仕事をすることが一例に挙げられます」

 自分の感情に加えて、メンバーのやる気や不安、楽しさは、いまどんな状態にあるのかきちんと読み取り、適切なコミュニケーションをとることが重要なのだ。こういった「感情マネジメント」のうまい人は、リーダーシップのある人、人を巻き込める人になりやすいという。