短命政権が多すぎる問題の根本には、マスコミ依存?

 戦後の首相は菅氏まで含めて35人いるが、彼らの在任期間を平均すると2年そこそこ。1000日を超える小泉氏や安倍氏の方が「異常」であって、1年や2年で退陣に追い込まれる首相が圧倒的に多い。石を投げれば短命政権に当たるので、先ほど述べたような、ほとんどのジンクスも当てはまるというわけだ。

 例えば、ちょっと前に、菅首相が頑なに公邸住まいをしないということで注目を集めた「首相公邸に入居すると短命政権」というジンクスがわかりやすい。

 これは、2002年にできたこの公邸に、小泉氏(途中入居)、安倍氏以外、5人の首相が就任後に入居したがみんな短命だったということで、まことしやかにささかれた。先ほども申し上げたように、そもそも小泉氏、安倍氏以外の首相はみんな短命なのだ。しかも、今回は入居していない菅首相が短命で終わったことで、このジンクスは完全に崩壊している。

 さて、そこで次に気になるのは、なぜ、こんな「短命ジンクス」が量産されてしまうほど、日本の首相は短命が平常運転となってしまったのかということだ。

 専門家によれば、小選挙区制度を導入したせいだとか、派閥政治が悪いなどさまざまな分析がある。また、そもそも自民党総裁の任期が短いことに加えて、党の長老たちが世論を見て、首相の首を挿げ替えられるというシステムがある以上、短命なのはしょうがないと言う人もいる。

 ただ、海外からは「回転ドア」なんてバカにされるほどコロコロ変わっていくのは、「マスコミの世論誘導力が高い」というところに尽きるのではないか、と個人的には思っている。