コロナ禍で皆さんの営業は、どのように変化しましたか?「直接面会できない」「商品・サービスを見せられない(伝えられない)」「相手先の会社や個人の雰囲気・空気がつかめない」「直接相手を訪ねていくことで示せていた誠意が伝わらない」など、これまでの方法ではうまくいかず、悩んでいた時期もあるでしょう。しかし、その反面、営業成績が落ちるどころか、伸ばしている人がいることも承知のはず。何が違うのでしょうか。その違いは、すでに7年読み継がれている本書『「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』で明かされています。そして、オンライン営業のスキルを加えてパワーアップしたのが、『[新版]「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』。本書よりいつの時代もどんな業種でも結果を残す営業スキルを伝授します。

オンライン営業で成功している2つの事例Photo: Adobe Stock

「とりあえず会うことが重要」という考えでは通用しない

 これまで質問型営業を学んできた人の中で、オンライン営業に切り替えて、成功している方もおられます。

 ある人は、質問型営業を5年間活用し、会社で大きく業績を伸ばしてきました。現在、会社でいろいろな企業の立ち上げを任され、今は人材紹介・派遣会社の取締役になっています。特に病院関係の人材紹介を手がけていますが、病院にあまり訪問できないという状況下で、業績を大いに伸ばし、目標を達成しています。

 人材紹介業は、就職を希望している人間と、募集している企業とのマッチングが重要です。多くの人は、両者が直接面会することが必要だと考えるものです。そこで、現在の状況を踏まえて、すぐさまオンラインに切り替えました。

 就職を希望している人と募集している企業に対して、次のようにしました。

1.就職を希望する人にはメールでの応募から、10分の電話面談をし、登録を依頼。オンラインでの面談も依頼する。
2.オンラインで応募状況・志望動機などから、自身の現状などを詳しく聞き、紹介先があれば紹介することを伝える。
3.募集先の病院についても、メールで対応して、10分の電話で状況を聞き、オンラインでの詳細なヒアリングを依頼する。
4.オンラインで状況を詳しくヒアリングし、こちらの条件も伝え、よければ基本契約を結ぶ。
5.応募者には、紹介先があることを伝え、募集先の病院には、紹介できる人がいることを伝える。互いの面会意志を確かめたうえで、オンラインでの三者面談を実行する。
6.内容がよければ、2次面談では直接会って、正式決定する。

 このように、ほとんどの面談をオンラインで済ませ、効率がよくなりました。ただし、このときに求められるのが、質問により深く聞き出す力です。より的確に、重要なことを質問型営業のトークで聞き出します。

 この企業の売上は昨年の1.5倍になり、移動経費などは5分の1になったとのこと。関西の企業ですが、現在は関東などにも活動エリアを広げています。これは、オンラインでの面談が可能になったからです。

 また、保険業でも、オンライン営業で成功している方がいます。

 彼が所属する会社は、家や企業に直接訪問する営業を行ってきました。一方、彼はオンラインでの面談を取り入れ、成績アップに役立てています。彼は次のようにやっています。

1.紹介をいただいたお客様に直接面会とオンラインでの面会のどちらがいいかを電話で聞く。
2.オンラインの場合も面会と同じように、目的を伝え、人間関係づくりを行い、現状―欲求・課題―解決策―直面―提案の順にヒアリングして、提案する。
3.契約書を送り、再びオンラインで説明して、契約となる。

 ちなみに、当社では、質問型営業研修での指導をすべてオンラインで行っており、ロールプレイングの練習もすべて、オンラインで行っています。練習自体をオンラインでこなすことで、実際のオンライン営業でも効果を発揮しています。

 これらは、まさに、オンライン時代の営業をうまくやっている事例です。ここでも重要なのが、相手とオンラインでいかに深いレベルで会話ができるかです。

 一方的な会話は通用しません。相手を退屈させることなく、集中してもらう会話術が必要です。それも主導権を取りながら、会話をリードしていく必要があるのです。

 これが質問型営業のトークですべて解決できるのです。

*本原稿は、青木毅著『[新版]「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』から抜粋、再編集したものです。