プロジェクトに社内外から評価
今後はグループ全体へ広げたい
最勝寺 : アビームコンサルティングにも協力いただき、サステナビリティ推進室、リスクマネジメント本部、経営企画部などの関係部署を前にプロジェクトの報告会を開催しました。総じて報告内容に対してポジティブな反応が得られ、一定の成果を実感しました。日頃の取り組みが数値で可視化されたことで納得感につながったようです。分析結果は、2021年3月期決算説明のプレゼンテーション資料で一部開示しましたが、投資家からの質問も多く、非常によい反応を得ることができました。今回は始めたばかりでありトライアルにすぎませんが、投資家からはこうした分析を行ったこと自体に先進性があると評価をいただきました。
今野 : 分析結果から、よい結果が見えたものは取り組みの重要性を認識することができ自信を持って継続できますし、そうでないものについては社内変革の議論ができます。投資家の方に今後の取り組み姿勢を、定性的にではなくデータをもとに説明できる意義も大きいと感じます。
最勝寺 : そうですね。会計・開示部門としては、こうしたデータについて、今後も蓄積しながら分析をし続けることが重要だと思います。分析結果をどのように業務に活かしていくのか、その発信をしていく必要もあると感じていますし、社外への開示もさらに充実させていきたいですね。
今回はKDDI単体のデータを分析しましたが、今後はグループに視野を広げて、ESG関連情報の開示の可能性を探っていきたいと考えています。
今野 : グループ会社全体に範囲を広げていく一方で、事業部ごとや部門ごとでメッシュを細かく管理していくこともできると見ています。データそのものの正確性や粒度を突き詰めていくことで、分析の精度も上がっていきます。そうなれば、今後は経営の意思決定にも活用しやすくなると思います。さらに、中期経営計画で定めた3年後、5年後の財務目標を達成するためには非財務資本がどうあるべきなのかをシミュレーションできるようになれば、データを活用した経営も見えてくるのではと考えています。その支援となるDigital ESGを、今後もさらに拡充していきたいと思います。
最勝寺 : 今回は、ほとんどのESG関連データを手作業で収集しました。今後はこれを自動化したり、収集したデータの分析結果をダッシュボードなどで簡単に可視化したりできるようなツールがあれば、さらに取り組みが前進すると感じています。今回の挑戦は、会社の将来にわたる情報開示のあり方に関わるものと意義を感じています。