――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト
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米共和党がひとまず矛先を収め、連邦債務上限の引き上げに合意したことで、少なくとも当面は米国がデフォルト(債務不履行)に陥るリスクは後退した。だがその脅威はある問題を突きつける。単に12月に先送りされただけの状況ではなおさらだ。つまり、投資家は過度に慢心していたのか、それとも深刻な事態は決して起きないと信じることが正しいのか。
共和党がいずれ折れると投資家が見込んでいたのは明らかだ。米短期証券(Tビル)の価格動向は、デフォルトが起こったとしても、問題は短期間で終わるとの見方を織り込んでいた。だが、発生する可能性が極めて低いが、起これば甚大な影響が及ぶリスクについて、金融市場の見極める能力は実にひどい。これは突然、価格に急激な変化をもたらす。すぐに手を打つ必要に迫られる直前まで、確率は低いものの破滅的な出来事が無視されるという、絶えない慢心が招いた結果だ。