英蘭系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルがチャーターしたタンカー「Myrina」は先月、液化天然ガス(LNG)を積んでフランス西岸の港を出航し、アジアに向かった。ジブラルタル海峡に差しかかろうとした時、船長に連絡が入ったと、事情に詳しい複数の関係者は明かす。関係者の一人によると、船長はロンドンの上司から「ロッテルダムに行ってくれ」と告げられたという。船はUターンし、スペイン沿岸からフランス沿岸へと逆戻りした。積載したLNGの一部をオランダのロッテルダム港で下ろし、その後スペインのビルバオ港に到着し、残りの積み荷を下ろした。欧州やアジア、中南米のバイヤーたちは、北半球が冬季を迎える前に貯蔵タンクや地下貯蔵施設を満たすべく、限られたガス供給量を巡って争奪戦を繰り広げている。
天然ガス不足で争奪戦、タンカーも右往左往
荷主がタンカーの行き先を最高額入札者に変更するケースが頻発
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