「なんだ、この記事は!誰がこんなことを言っているんだ」。自民党総裁選に勝利し、党役員人事を終えた岸田文雄首相は、ある新聞記事を目にして珍しく怒りをにじませた。全国紙各紙の世論調査で歴史的に低調な内閣支持率が続出する前の出来事だ。岸田首相が怒った理由とは?(イトモス研究所所長 小倉健一)
「なんだこの記事は!」
岸田首相の怒りの理由とは?
第100代首相に就いた岸田文雄首相は10月8日、就任後初となる所信表明演説で新しい資本主義を実現して「成長と分配の好循環」を目指すとした上で、「日本の絆の力を呼び起こす。それが私の使命だ」と力説した。
喫緊の課題である新型コロナウイルス対策から外交・安全保障までを網羅し、与党内の評価は「自民党の保守派にも、リベラル派にも目を向けた内容」と上々。首相には安堵感が漂う。
だが、山積する課題を「ホッチキスで止めただけの『八方美人』演説」(無派閥議員)との印象も拭えず、新味に欠ける政策メニューには厳しい声も目立つ。今月末には自身が断行した衆議院解散・総選挙が控える中、「岸田カラー」はいまだ見えない。
「なんだ、この記事は!誰がこんなことを言っているんだ」。9月末の自民党総裁選で勝利し、党役員人事を終えた岸田首相は10月2日、珍しく怒りをにじませた。