新リーダーを覆う、永田町と早稲田の「ジンクス」とは
テレビや新聞では「昔から真面目でひたむきだった」「熱烈な広島カープファン」なんて感じで、岸田文雄新総裁の素顔を報じるなど、お祭り騒ぎをスタートさせているが、永田町では早くも「首相のジンクス」を心配する声が聞こえている。
まず、よく言われているのが、「長期期政権後は短命」というものだ。これは昨年、菅義偉首相が総裁選を制した時にも真っ先に言われていたが、実は今回にも当てはまってしまう。長期政権後は短命政権が最低2度は繰り返す、というのがこれまでの傾向だからだ。
首相の通算在職日数1980日の小泉純一郎氏の後は、安倍晋三氏(366日)、福田康夫氏(365日)、麻生太郎氏(358日)と年中行事のように首相が変わっている。また、通算在職日数の1806日の中曽根内閣後にも似た傾向が見られる。中曽根氏の後を引き継いだ竹下登氏(576日)は1年半ちょっと、そのあとの宇野宗佑氏も69日と超短命。続く、海部俊樹氏(818日)も2年2カ月ちょっとだ。
3188日も続いた安倍政権を引き継いだ菅首相もわずか1年で退陣へ追い込まれた。これまでのジンクスを踏まえれば、次の政権ももって1〜2年ではないかというわけだ。
そこに加えて、早稲田大学法学部卒業の岸田氏には「早稲田の呪い」もささやかれる。早稲田大学は東京大学に次いで多くの首相を輩出しているが、戦後で長期政権を維持できた人がいないというジンクスがあるのだ。実際、石橋湛山氏(65日)、竹下登氏(576日)、海部俊樹氏(818日)、小渕恵三氏(616日)、森喜朗氏(387日)、福田康夫氏(365日)、野田佳彦氏(482日)と、こちらも海部首相の約2年2カ月が最長だ。
これまでの早稲田OB首相と同じ道を辿ってしまうのではないか、と心配する声もあるのだ。