世界で数ある新型コロナワクチンの中で、米ファイザー・独ビオンテック製(以下ファイザー製)のワクチンが「勝者」となりつつある。中南米から中東に至る世界の多くの国々がファイザー製のワクチンに目を向けている。オーストラリアは他社製からファイザー製に切り替えて接種を進めている。トルコ、英国、チリは、当初は他社製のワクチンを接種した人にも追加接種の際にはファイザー製に切り替えている。アルゼンチンではファイザー製ワクチンへの需要が高まったことで、ファイザーと契約できるようワクチン購入に関する法律を改正したほどだ。ブラジル保健省の元高官で疫学者のワンダーソン・デ・オリベイラ氏は「誰もが最良のワクチンをほしがっている」と語る。当初は中国製ワクチンを採用していた同省は今年に入り、ファイザー製の供給を増やした。「ファイザーのコロナワクチンは、他社製に比べ優れた効果を示している」という。