高騰する自動車価格は、全体として見れば、米国の自動車メーカーやディーラーにとって販売不振に対する有効なヘッジとなる。だが、その効果が他社より不利に働く企業もあり、明暗が分かれている。好調に利益を上げた1年間を経て、自動車業界の運命は夏以降に一変した。9月の米国のライトビークル(乗用車・小型商用車)販売台数(季節調整済み、年率換算)は1220万台にとどまり、新型コロナウイルス禍による操業停止の影響を受けた2020年春を除けば、過去10年余りで最低水準に落ち込んだ。車載半導体の不足で、すでに今春には自動車生産およびディーラーへの納入に支障を来していたが、それでも自動車業界には十分な在庫があり――4月には過去最高レベルの販売台数を記録――ばく大な利益を上げていた。だがここにきて、チップ供給量が許す範囲で製造された車両を除き、どこにも売るものがなくなった。
米自動車販売の失速鮮明、各社明暗の分かれ道
BMWはGMよりも半導体不足による混乱をうまく切り抜けている
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