中国の習近平国家主席は先週末、世界を驚かせた。10月9日の演説で、最終的に台湾を併合するという自身の決意に疑いの余地がないことを示したのだ。しかし、最も重要なのは、この演説で語らなかった点と、それを語らなかった文脈だ。台湾をめぐる緊張状態は、ここ数カ月間で高まっている。習氏は7月、中国共産党創設100周年を記念して天安門広場で行った演説で、台湾の独立に向けたいかなる試みも「完全に粉砕する」ことを約束した。台湾最大野党・国民党の党首に選ばれた朱立倫氏に送った祝電では、習氏は台湾の現状について「複雑で厳しい」と評した。中国の建国記念日に当たる10月1日の国慶節からの週末には、台湾の防空識別圏に侵入した中国軍機の数が過去最多の149機に達した。