世界の超大国・米国と中国の対立は、台湾をめぐって展開するようになってきた。台湾は、中国の南東海岸線から約100マイル(約160キロ)に位置する人口2400万人の島であり、自治を行っている。中国共産党の指導者たちは台湾を中国の一部とみなしており、必要であれば武力を用いても、この島を支配下に置くと宣言している。米国は台湾を、民主主義を守る防波堤、あるいはこの地域で中国の野望に対抗する戦略的な緩衝材とみなしている。  台湾をめぐる米中両国政府の対立状況とその歴史的背景、それがアジア太平洋地域の未来にどんな意味を持つのかについて、以下に簡略に説明した。