新型コロナウイルス感染拡大によるパソコン事業のブームは終わった。あとは市場がどこに落ち着くかが大きな問題だ。米調査会社IDCによると、新型コロナ流行が発生した2020年より前の5年間、世界のPC販売台数は年平均で約2億6500万台となっていた。それが2020年には3億0260万台に跳ね上がった。新型コロナ流行を背景に、労働者や企業が在宅勤務の準備を急いだためだ。その勢いは今年に入っても続き、IDCは今年のPC出荷台数が3億4000万台を超えると予想している。そうなれば、業界は2012年以来の絶好調となるものの、それは既に顕著な減速が始まっていることも反映している。IDCのデータによると、7-9月期のPC販売台数は、それまで5四半期連続で2桁台の伸びを記録した後、前年同期比で4%未満の増加にとどまった。IDCの年間予測では、10-12月期の販売台数が4%減少する可能性が高いとされている。IDCも同業ガートナーも、半導体の生産不足に起因する供給問題が一部の販売を抑制していると指摘するが、両社は分野によって需要が減速していることも認めている。ガートナーによると、米国における7-9月期のノートPCと「クロームブック」の出荷台数は前年同期から10%減少した。
PCメーカーが当てにする勤務形態の「新常態」
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