世界経済の見通しに陰りが出ている。世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱、インフレの急加速、感染力の強い新型コロナウイルス変異株「デルタ株」の影響により、欧州とアジアで7-9月期の成長鈍化を示す経済指標が相次いだためだ。スウェーデンや英国、ドイツ、さらに日本でも、港湾の混雑や世界的な原材料・部品供給の目詰まりが製造業界を揺るがしている。工場は生産停止を余儀なくされ、顧客に納期の遅れを通達する事態となっている。キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、デービッド・オックスリー氏は、今年の経済活動再開後の回復期はピークを過ぎたとの見方を示した。13日には、月次の国内総生産(GDP)統計を発表している数少ない主要国の英国で8月のGDPが発表された。8月は前月比0.4%増となり、0.1%減に下方修正された7月から小幅ながらプラスに転じた。
世界経済失速、インフレと供給制約が足かせ
7-9月期の成長鈍化示す指標相次ぐ
有料会員限定
あなたにおすすめ