世界経済の見通しに陰りが出ている。世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱、インフレの急加速、感染力の強い新型コロナウイルス変異株「デルタ株」の影響により、欧州とアジアで7-9月期の成長鈍化を示す経済指標が相次いだためだ。  スウェーデンや英国、ドイツ、さらに日本でも、港湾の混雑や世界的な原材料・部品供給の目詰まりが製造業界を揺るがしている。工場は生産停止を余儀なくされ、顧客に納期の遅れを通達する事態となっている。  キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、デービッド・オックスリー氏は、今年の経済活動再開後の回復期はピークを過ぎたとの見方を示した。