中国の電子商取引(EC)大手アリババグループは、政府が1年前から続けている民間企業締め付けの影響を受けているが、もう一つの問題に直面している。競争の激化だ。アリババは15年余りにわたり中国EC業界で不動の首位を保ってきた。馬雲(ジャック・マー)氏が創設した同社は世界有数の規模と価値を持つ企業になり、強力な戦術を用いて、挑戦者たちを寄せ付けなかった。中国のEC業界が成熟するにつれ、消費者は新しい買い物方法を利用し始めた。目的の商品を検索するのではなく、インターネット上の情報を見て回り、双方向のやりとりをする方を好むようになった。こうした傾向を受け、アリババは一部の分野で追い上げる立場となり、競合他社はこうした変化を利用して、世界最大のオンライン小売市場での足場を固めている。