使用済みペットボトルは世界の海を汚す漂流ごみという認識が一般的だが、驚くべきことに供給不足が起きている。消費者ブランドがリサイクル目標達成のために競い合っているからだ。S&Pグローバル・プラッツのデータによると、ペットボトルの廃材から作られる再生PETフレークのスポット価格は、欧州では年初来約2倍に上昇している。包装材に関する環境規制が緩い米国でも価格が上昇しているが、欧州ほどではない。全米PET容器資源協会(NAPCOR)によると、食品用の再生PETの価格は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の1ポンド当たり約64セントから1ドルに上昇した。高騰の背景には、有名ブランドが石油消費量の多い非再生プラスチックの使用量を削減する自主目標を設定したことによる、再生プラ需要の急増がある。世界最大の食品会社ネスレは、2025年までに非再生プラの使用量を3分の1削減したい考えだ。米飲料大手コカ・コーラは、2030年までにリサイクル素材の使用率を50%以上にすることを目指している。
使用済みペットボトル、ごみから注目商品に
今年になって再生PET価格が急上昇
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