コロナ支援の「ゼロゼロ融資」で深刻化する過剰債務の実態、東京商工リサーチが解説写真はイメージです Photo:PIXTA

新型コロナウイルスに苦しむ企業に実質無利子・無担保で融資する「ゼロゼロ融資」は、企業の資金繰りを支え、倒産件数は歴史的な低水準となった。だが、新規感染者数が急速に減少し、経済活動も本格再開に動きだすなか、過剰債務問題が深刻化する可能性がある。コロナ禍で企業はどれほど借入金を増やしたのか、データを基に解説する。(東京商工リサーチ情報部 増田和史)

劇薬にもなりうる
ゼロゼロ融資

 2021年度上半期(4~9月)の全国企業倒産は2937件(前年同期比23.8%)で、年度上半期では過去50年間で初めて2000件台の低水準だった。長引くコロナ禍の影響は幅広い業種に及ぶ。それでも政策支援で企業倒産は歴史的な低水準に封じ込められ、景気と真逆の逆転現象が続いている。

 企業倒産を抑制しているのは資金繰り支援策、とりわけコロナ禍に苦しむ企業向けの「実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)」の存在だ。総額40兆円に上る資金が企業のキャッシュフローを緩和させた。

 企業倒産は景気が悪くなると「増える」と思われているが、これは必ずしも正解ではない。企業は「資金がない」から倒産するのだ。たとえ赤字でも資金があれば倒産しないし、逆に黒字でも資金がなければ資金繰りは破綻する。こうした企業倒産のメカニズムを実証したのが今回のゼロゼロ融資だった。

 ゼロゼロ融資とは、新型コロナで売り上げが減少した企業に対する特別貸し付けを指す。2020年3月から日本政策金融公庫と商工組合中央金庫の政府系金融機関で取り扱い、同年5月からは民間金融機関でも受け付けが始まった。民間金融機関は2021年3月末の申請分で終了し、政府系金融機関は2021年末まで延長されたが、ここにきて2022年3月末までの延長案も出ている。