中国は極超音速ミサイルから発射できる兵器の開発能力を着実に向上させている。飛躍的な技術の進展を見せつけて米軍幹部に衝撃を与えた今夏の実験は、米国のミサイル防衛システムに新たな脅威をもたらす取り組みの一環であることが改めて浮き彫りとなった。中国政府系の航空工業空気動力研究院(AVIC ARI)は、極超音速ミサイルがさらされる高速や高温を再現できる新たな風洞を近く稼働させると明らかにした。風洞の役割には、極超音速滑空体から兵器を「分離・発射」させる実験が含まれるとしている。21日に声明文を公表した。極超音速滑空体は長距離ミサイルの弾頭部に位置する機動式弾頭で、発射されると、探知が難しい変則軌道で標的まで滑空する。米当局者によると、中国が7月の実験で発射したミサイルは低周回軌道で地球を回った後、滑空体を発射した。その滑空体はその後、これとは別に独自の飛翔(ひしょう)体を発射しており、中国の技術力は物理学の限界を試す領域だと話している。