とっておきの1個に付加価値をつける
「不特定多数に向けて、大量に回す」というオペレーション能力ばかりが評価される時代は終焉を迎えるでしょう。
調査と統計という数字のバケモノで、「個」を見失った商売をよしとしたことが、デフレの元凶だったと僕は思います。
これからは、100個つくって1個100円で売るのではなく、10個つくって1個1000円で買ってもらう。
少人数の人に確実に喜ばれる付加価値をつけて、正当な値付けをして稼ぐのが正解です。
「安売りされても仕方がない」という量販だけに目が向いた仕事を、自分に許してはいけません。
それに、付加価値をつけて少なくつくるほうが、時間のゆとりもできる。
すると、もっとクリエイティブな発想が生まれる。
いいものが生まれる循環が回り始めるのです。
これからのビジネスは「個」から始まる。
そこに「個」がなければ、生き残れない。
そんな仕事を成すためには、まず自分自身が孤独の力を身につけて、「個」という存在であること。
ビジネススキルとして身につけるべき一番目はこれです。
とにかく、オンリーワンを目指しましょう。
(本原稿は、中野善壽著 『孤独からはじめよう』から一部抜粋・改変したものです)