不自由な環境こそが、心のゆとりと豊かな想像力を生むワケ
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で幸せを呼び込む言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】どん底からでも「希望」が見える逆転の思考法Photo: Adobe Stock

「隙間」から見える景色に惹かれる理由

私はよく散歩をするのですが、住宅街を歩きながら「ここに住んだらどんな感じかな」と想像するのが好きなんです。その中で、自分が惹かれる「建物の構造」があることに気づきました。

それは、アパートの外階段や建物と建物の間に「隙間」があり、そこから向こう側の空が覗いているような構造です。

天窓や、中庭から空を見上げた時の感覚に近いかもしれません。壁や建物によって視界が一部遮られているからこそ、その隙間から見える空や景色に、かえって空間の広がりや自由を感じるのです。

制限があるからこそ「広がり」が見えてくる

これは視覚的なことだけではありません。すべてが最初から見晴らしが良い状態よりも、大部分が覆われていて、その隙間から星空や景色が見える方が、私たちはそこに価値を感じたり、想像力をかき立てられたりします。

窓についても同じです。開け閉めできない「はめ殺し」の窓であっても、そこから見える空がまるで一枚の絵画(借景)のように機能し、私たちの心を癒してくれます。

「制限されることで、逆に見えてくるものがある」というのは、人生における大切な視点です。

あえて「不自由」を選んでみる贅沢

効率だけを求めれば、新幹線や飛行機などを高速の交通機関を使えばすぐに目的地に着きます。しかし、あえて各駅停車のローカル線に乗ってみると、どうでしょうか。

移動距離は短くても、ガタゴトと揺られる時間の中に情緒を感じる。車ではなく歩くことで、普段気づかなかった街の雰囲気に出会える。

このように、あえて手間や時間をかける「不自由さ」を取り入れることで、かえって心に余裕が生まれたり、新しい景色が見えてきたりするのです。

「自由すぎる不自由」という落とし穴

私たちは「何でも自由にしていいよ」と言われると、かえって窮屈さを感じたり、何をすればいいか分からずマンネリ化してしまったりすることがあります。

忙しくて時間がない時ほど「あれもしたい、これもしたい」とやりたいことがあふれてくるのに、いざ完全に自由な時間が手に入ると、意外と何も思いつかないものです。

つまり、制限があるからこそ、私たちは「休み」や「自由」を輝かしいものとして味わえるのです。

「できない」は「希望」である

「渇望(かつぼう)」という言葉があります。この言葉には「望む」という漢字が入っていますよね。つまり、何かができない、足りないという状態は、裏を返せば「希望がある」ということなのです。

もし今、あなたが「毎日がつまらない」「やることがなくて退屈だ」と感じているのなら、あえて自分に少し不自由な環境や制限を課してみるのも一つの手かもしれません。

制限があるからこそ見えてくる自由や、小さな幸せ。そんな視点を持って過ごしてみるのはいかがでしょうか。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。