米連邦議会の中間選挙まではまだ、1年近い期間がある。しかし、共和党がこの選挙の争点をどこに定めるかを見極めるのには、早すぎる時期ではない。共和党は有権者の関心を三つの「I」に集中させたいと考えている。三つの「I」とは「inflation(インフレ)」「immigration(移民)」「identity politics(アイデンティティー政治)」の頭文字だ。人種やジェンダーなど特定のアイデンティティー(自己同一性)に基づく集団の利益を代弁する政治であるアイデンティティー政治に関しては、現在それを実践しているのは民主党ではないかという点が特に問題になる。民主党にとっては、この三つの組み合わせは毒薬になりかねず、もっと親しみやすい分野に焦点を移す必要がある。彼らはインフラと社会保障の支出法案の成功が、こうした焦点移行の取り組みの手始めになったと考えている。民主党にはまだ時間があるが、投票のずっと前の段階で有権者の認識が固まってしまう可能性があることを懸念する必要もある。