プロップテック(不動産テック)企業の流行に拍車が掛かっている。不動産所有者の間で、質の高いデータや新たなアプリといった不動産テクノロジー需要が高まっているためで、新型コロナウイルス禍のなか過去最高額の投資資金を引き寄せている。情報会社CBインサイツによると、ベンチャーキャピタリストなどの投資家は年初から11月半ばまでに、不動産テックに95億ドル(約1兆1000億円)を投じた。2019年の90億ドルを上回り、年間の過去最高額を更新した。こうした新規投資からは、商業用不動産の所有者がコロナ下で労働者や顧客を呼び戻すためにテクノロジー頼みの様相を強めていることがうかがえる。ショッピングモールの所有者が当てにしているのは、オンライン店舗と実店舗を組み合わせる新技術やデータ分析だ。オフィスビルの所有者は、1年半余りの在宅勤務を経て従来型の職場に戻る企業を呼び込もうとテクノロジーに目を向けている。