サウジアラビアとロシアが原油増産の一時停止を視野に協議していることが、事情に詳しい関係者の話で明らかになった。石油価格を抑制するため、米国の主導で複数の国が協調して戦略備蓄を放出すると発表したことを受けた動きだという。関係者によると、アラブ首長国連邦(UAE)を含む他の石油輸出国機構(OPEC)加盟国は、増産停止が必要との見方を支持していない。石油やガソリンの価格高騰を受け、米国は23日、一部の国と共同で戦略石油備蓄を放出すると発表。放出量は最大7000万バレルに上る見通しで、需給バランスを崩す恐れがある。OPEC関係者によると、備蓄放出による供給拡大を相殺するため、サウジとロシアはOPECと非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の協調増産について、一時停止を検討している。これまで方針を巡ってサウジと対立していたUAEのほか、クウェートも停止に否定的な考えを示しているという。