「見えっ張りな人」は
経営者として致命的
小宮コンサルタンツ代表
会社をダメにする経営者には、四つの共通点があります。
それは、「明るく、元気で、大ざっぱで、見えっ張り」というものです。
「明るく、元気で」の二つだけを取り上げれば、悪いことではありません。明るく、元気でなければ、何かと苦労の多い中小企業の社長は務まらないし、社員だって陰気で、覇気のないトップの下ではモチベーションが上がりにくいはずです。
ただ、「大ざっぱで、見えっ張り」なのは問題です。
大ざっぱな経営者は、細部まで注意が行き届かず、細かい配慮もできず、経営が雑になりがちです。特に数字に大ざっぱな経営者は、ビジネスで求められる「物事をできる限り具体化・数値化すること」が苦手です。自社の売り上げや利益の数字をかなり違って記憶している人もいます。また、経理をごまかされていても手遅れになるまで気付かないこともあり得ます。
それでも、「大ざっぱ」は、数字を見て考える訓練をすることである程度矯正することができます。経理や財務担当者に補佐してもらうことも可能です。財務の数字の扱いに、財務担当者よりも詳しくなる必要はありません。社長は会社の業績に最も責任を負う立場なのだから、大事な数字は何かを理解して、その大事な数字をきちんと把握していることが大切なのです。
一方で、見えっ張りな人は経営者としては致命的です。