感謝祭の祝日に伝わった新型コロナウイルスの新たな変異株の出現ほど、投資家にとって大局的な視点を与えるものはないだろう。26日は世界の金融市場にとって「暗黒のブラックフライデー」となった。ボツワナと南アフリカで最初に確認された新たな変異株が、ワクチンへの耐性を備えている可能性があるとの懸念が広がったためだ。世界ではすでに、両国や近隣国を「危険リスト」に指定し、入国者に隔離を義務づける動きが出ている。一方、従来の変異ウイルスは引き続き欧州で猛威を振るっている。投資マネーは株式(とりわけ旅行関連)や高利回り社債、コモディティー(商品)、新興国通貨といったリスク資産から流出し、国債や金、スイスフラン、日本円など安全資産へと逃避した。