中国の電子商取引大手アリババグループの張勇(ダニエル・チャン)会長兼最高経営責任者(CEO)は、各事業部門のトップにこれまでよりも権限を持たせる動きを強めている。新たな課題に対応する際の機動性を高め、将来的なスピンオフ(分離・独立)の可能性も視野に入れているためという。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。張氏は位置情報やクラウド関連のサービスなど各事業部門のトップが担う責任を強化しており、関係者によるとトップらは現在「ミニCEO」として機能している。この戦略には意思決定を迅速化することで、各部門が競争で優位を維持し、販売をテコ入れすることができるようにする狙いがある。中国政府が主要オンラインプラットフォームに対する締め付けを強化する中、硬直的な組織イメージを変化させることも目的とされる。