南アフリカ共和国の感染症対策センターのトゥーリオ・デ・オリベイラ所長は23日、自分のオフィスでコーヒーを飲みながら、研究仲間に秘密を打ち明けた。「何かが起こっている」。南アフリカの研究所で各種のコロナウイルスを培養しているウイルス学者、アレックス・シーガル氏にこう告げた。「これまで見たことのない変異株が発見された」数日前から、同国の感染者数は急増し始めていた。不可解に思った検査技師たちが、新型コロナウイルス検査で陽性だった検体を取り寄せ、さらなる変異が起きている可能性に気づいた。科学者がゲノム解析したところ、50余りの変異が見つかった。デ・オリベイラ所長は25日、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領に対し、懸念すべき特徴を持った新たな変異株が国内感染者数を押し上げていると知らせた。同日、南アフリカの保健相と科学者らがこの調査結果を発表した。
オミクロン株、コロナとの闘い新段階に突入か
スピーディーな検出と世界の保健当局の素早い対応は、新型コロナとの戦いが世界中でどれほど進化したかを物語っている
有料会員限定
あなたにおすすめ