米アマゾン・ドット・コムは新型コロナウイルス禍による巣ごもり需要を背景に、ここ2年は前例にないほど急ピッチで従業員を追加した。同時に、それより注目度こそ低いが、フルフィルメントネットワークをほぼ2倍に拡大するという、さらに大幅な規模拡大を達成した。物流コンサルティングのMWPVLインターナショナルによると、アマゾンは商品保管・仕分け・出荷用の新施設を全米450カ所余りに開設し、注文から1日以内の配達を目指す「物流帝国」を拡充した。この目標を達成する上でサードパーティーの物流業者の助けを借りることも少なくなっている。新施設の多くは大都市近郊に集中させ、通販サイト上の商品を人口密集地に近づけている。MWPVLによると、新拠点のうち20カ所余りは売れ筋商品を保管するための、より小規模な施設だ。アマゾンはこうした拠点を構えることで急送能力を増強しつつ、供給混乱に備えることができた。