オミクロンショックの中で投資家がすべき「たった1つのこと」Photo:PIXTA

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の登場で市場に動揺が走っている。日経平均株価も急落し、「オミクロンショック」とも呼ばれている。しかし、オミクロン株が再び世界と日本の経済を数カ月単位で停滞させる悲観シナリオに傾いたとしても、投資家がすべきことはたった一つだ。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

オミクロンショックに
出鼻をくじかれた日本経済

 南アフリカで発生したとされる新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が、世界の株価に影響している。わが国の株価も、11月下旬に日経平均株価で3万円手前の2万9000円台後半まで来ていたものが、今月初旬には一時2万7000円台半ばまで急落した。一部には「オミクロンショック」と呼ぶ声もある。

 投資家は、オミクロン株と株価の関係をどう考えたらいいのか。

 わが国は、ことコロナに関して、現在他国と好ましい方向にズレている。ワクチンが集中的に接種された時期との間隔が好ましいのか、コロナの感染は下火になっていて、緊急事態宣言は解除され、いよいよ経済が正常化しそうな状況だった。

 ワクチン接種時期の差に伴う経済回復の差である「ワクチンラグ」がいよいよプラスに働く状況に見えた。

 しかし、街にも人出が戻り、いわゆる「リベンジ消費」が期待できるかと思った矢先に、オミクロン株の問題が発生して懸念が拡がっている。