現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
38万部を超えるベストセラー『1%の努力』では、彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語ってもらった。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
ひろゆきからの「挑戦状」
僕の『1%の努力』という本の冒頭は、このような質問から始まります。
「財布とスマホを家に置いて、外に出てみよう。そして、1週間、過ごしてみる。ただし、家族に頼るのはNGだ。1週間後、何事もなかったかのように帰ってくることはできるだろうか?」
さらに本書では、「これができる人はこの本は買わなくていい」と書きました。
しかし、本が売れていることを見ると、おそらく多くの人は「できない!」と思ったのでしょう。
ツイッターなどでエゴサをすると、「できると思ったから本を買わなかったわ(笑)」という意見もいくつか散見しました。
といっても、圧倒的に少数の人たちなのでしょう。
なぜ、このような質問をしたのか?
それではなぜ、こんな質問から始めたのかというと、社会が豊かになればなるほど、「貧しくなる側面がある」と思っているからです。
それが、「生きる力」です。
人間は社会に順応すればするほど、「お金によって解決すること」「サービスとしてやってもらうこと」が増えます。
人は便利さを手に入れた代わりに、身体的なものを退化させてきました。ゾウのように重いものを持ち上げることも、犬のように固いものを噛むことも、猫のように壁を飛び越えることも、鹿のように遥か遠くを見渡すことも、できなくなりました。
それらを「道具」によって解決してきたからです。その点は、僕も否定しません。
しかし、どうしても手放してはいけない能力もあると思うのです。
人間として、絶対にできたほうがいいこと。
それは「恥を見せること」
たとえば、あなたの家が散らかっているとします。
そして、自分で掃除したくない。
じゃあどうしますか?
社会に順応してお金を持っている人は、「ハウスクリーニング」を頼むことができます。
あるいは、母親に片づけてもらうように「家族」に頼ることもできます。
では、友達に手伝ってもらうことはできますか?
もしくは、一緒に片づけてくれる彼氏や彼女はいますか?
そもそも、そういう人たちに「自分の散らかった部屋」、つまり「自分の恥ずかしい部分」を見せられますか?
今の人たちを見ていると、どうも、こうした能力が落ちている気がしてなりません。
これらはすべて、人間として当たり前にできたほうが「生きやすくなる」というアドバイスです。それを『1%の努力』では書いたのです。
どのアドバイスも、僕にとっては「当たり前だ」と思っていることなんですが、どうもできている人が少ない。
経済的に豊かさが維持できているうちはいいのですが、これからの日本で生き延びていくためには、「経済以外の豊かさ」が大事だと思います。
ぜひ、あらためて自分ができているのか。この年末のタイミングに確かめるようにしてみてください。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、38万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。