今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が低い会社ランキング2021【愛知除く中部地方】」を作成した。対象は愛知県を除く中部地方(新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡の8県)に本社を置く上場企業で、単体従業員数20人未満の企業は除外している。対象期間は、2020年4月期~21年3月期。

 早速、ランキングを見ていこう。

1位は北日本紡績
2位はセイヒョー

「年収が低い会社ランキング2021【愛知除く中部地方】」で1位となったのは、北日本紡績で、平均年収は319.8万円。石川県白山市に本社を置く合繊や紡績糸を製造・販売する企業で、主要取引先に帝人などがある。

 20年に実施した同様のランキングでも1位で、その時の平均年収338.4万円より、さらに18.6万円下がった。

 同社は1948年(昭和23年)、国の「第一次スフ紡績50万錘復元計画」に応じた北陸地方の有志によって、地元産業の発展のために設立された会社だ。北陸における合繊産業は戦後、対米輸出向け大量・廉価生産で一大成長を遂げた。

 しかし、1980年代以降は韓国や台湾、2000年代以降は中国が同分野で台頭したことで、北陸の合繊産業は現在、低迷している。

 北日本紡績の経営もそうした環境に連動し、悪化している。19年には東京証券取引所の上場廃止基準に抵触するなど、これまで幾度も経営危機に瀕している。21年3月期の業績は、売上高6億1500万円、最終損益は6100万円の赤字だった。

 2位は新潟県新潟市に本社を置くセイヒョーで、平均年収は324.5万円。20年も2位であり、その時の平均年収348万円から、さらに下がった。氷菓子やアイスクリーム、和菓子の製造・販売などを行っていて、アイスキャンディーの「もも太郎」やカップ入りかき氷の「いちごフロート」などが有名だ。

 3位は石川県金沢市が本社の倉庫精練で、平均年収は330.1万円。1位の北日本紡績と同じく業種は繊維製品だ。

 4位は石川県金沢市の大和で、平均年収は340.3万円。金沢市香林坊と富山県富山市に大和百貨店を展開している。創業は1923年(大正12年)、店祖の井村徳三郎氏が京都大丸と提携し、金沢市片町に宮市百貨店を開業したのがきっかけ。地元では、老舗百貨店として親しまれている。そのほか、グループ企業には金沢ニューグランドホテルや出版社の勁草書房がある。

 5位は長野県長野市のタカチホで、平均年収は346.0万円。観光土産品の卸を中心に、「湯ったり苑」の名称でスーパー銭湯を出店している。

 ランキング完全版では、6位以下の計100社を掲載している。30位には人気アウトドアブランド、36位には有名菓子メーカーがランクインした。ぜひチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)

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