日本の個人投資家には「高配当株」や「増配株」が人気だが、最近は海外の投資家も、日本の高配当株&増配株に注目している。配当がもらえるだけでなく、日本経済の復調と企業改革によって、株価の値上がりも期待されているからだ。ただ、ひと口に高配当株&増配株といっても、すべてが値上がりを見込めるわけではない。そこで、今回は“株価上昇の期待が持てる高配当株”をプロに教えてもらった!(ダイヤモンド・ザイ編集部)
東証改革で株主還元を重視する流れができたが、
コーポレートガバナンス・コードの改訂がさらなる後押しに!
ここ数年、日本株市場では高配当株が増加している。主な要因は、2023年から始まった東証改革だ。東証はPBR1倍割れの企業に対して「資本コストや株価を意識した経営」を要請。これを受けて、増配や自社株買いなどの株主還元を行い、株価の上昇を目指す企業が増加した。
とはいえ、東証改革はあくまでも「東証からのお願い」でしかなく、スルーしているキャッシュリッチ企業も少なくなかった。しかし、2026年にはコーポレートガバナンス・コードが5年ぶりに改訂され、潮目が変わりそうだ。コーポレートガバナンス・コードとは、コーポレートガバナンス(企業統治)の原則・指針のこと。昨秋から金融庁と有識者の議論が交わされており、今夏には新しい指針が動き出す予定だ。
今回の改訂では、とりわけPBR1倍割れ、あるいはROEが低い企業に厳しい改善策が求められる。つまり、上場企業は今後、必要以上に現金をため込んだままの状態は許されず、現金の使い道を示す必要に迫られる。
「設備投資やM&Aなどの成長投資に回すのか。それとも、配当や自社株買いで株主還元に回すのか。この二者択一が問われることになります」(山和証券の志田憲太郎さん)
高配当株を狙いたいなら、この先株主還元に力を入れそうな銘柄を見つけたい。志田さんによると、注目すべきは「ROEの低さ」「自己資本比率の高さ」「営業キャッシュフローが2~3期連続プラスかどうか」だという。
まずは「ROEの低さ」だが、ROE5%以下で資本効率が悪いと、市場から改善圧力がかかりやすいという。また、自己資本比率が高いということは、資本が積み上がり、カネ余りの状態だということ。利益が出ていても、分母の自己資本が厚いとROEは低くなる。ROEを上げるため、自社株買いなどで自己資本を減らす余力もあると見なすことができる。
さらに、営業キャッシュフローが2~3期連続プラスであることもポイント。会計上の利益ではなく、実際の現金の流れであるキャッシュフローを見ることで、増配や自社株買いを即実行に移せるかがわかるという。
次ページでは、以上のポイントを満たす「株主還元余力」の高い株を、志田さんに3銘柄選んでもらっている。ぜひ参考にしてほしい(※株価などのデータは2月4日時点)。









