「今の会社で働き続けていいのかな?」「でも、転職するのは怖いな……」。働き方が大きく変わるなか、そんな悩みを抱える人は多いだろう。高卒から、30歳で年収1000万円超という驚きの経歴をもつ山下良輔さんは、そんな「転職迷子」たちから圧倒的な支持を得ている。山下さんは初の著書『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』で、自らの転職経験を全て公開している。
その戦略は「外資系やコンサル業界は、学歴エリートでなくても入れる」「職歴に一貫性はなくてもいい」など、これまでの「転職の常識」を塗り替えるものばかりだ。どうしたら人生を変える転職ができるのか、どうしたらいい会社選びができるのか。この連載では本書より一部を特別に公開する。
2年後を固有名詞に落とし込む
ざっくり「自分はどんな仕事がしたいのか」を言語化できたら、今度はそれを具体的な「数字」や「固有名詞」に落とし込みます。
・2年以内に入りたい「会社(業界)」
・2年以内になりたい「職種」
・2年以内につきたい「職位」
・2年以内の「希望年収」
の4つをセットで書き出してみるのがおすすめです。この4つは、転職サイトで求人票を検索するときに選ぶ内容と同じです。
これらを書き出すことで
・今と同じ業界で転職するのか、業界を変えるのか
・今と同じ職種で転職するのか、職種を変えるのか
・マネジャーになりたいのか、プレイヤーのままがいいのか
・年収の上限、下限をどこまで望むのか
について、否応なく考えることになります。これまでフワフワしていた「2年後」の解像度が、ぐっと上がるのです。
本書で紹介したモチベーションチャートを描いた段階で「決められたことを繰り返す仕事ではなく、プロジェクトベースの仕事がしたい」と考えた僕は、次のように4つの要素を設定しました。
・2年以内に入りたい「会社(業界)」:コンサルティング業界
・2年以内になりたい「職種」:コンサルタント
・2年以内につきたい「職位」:気にしていない
・2年以内の「希望年収」:1000万円くらい
書き出してみたことで「自分がやりたい仕事、希望年収を実現するには、業界を変える必要がある」と気づいたのが、僕にとっての最初の大きな転機でした。当時勤務していた自動車会社、スバルの「延長線上」ではないキャリアが見えてきたのです。
こうしてみると当たり前のようですが、ほとんどの人がこの「手を動かす作業」をしていないのです。