転職を成功させる人は何が違う?あなたの市場価値を高める3つの行動転職を成功させるために大切な3つのポイントとは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

『転職の思考法』『天才を殺す凡人』などのベストセラー作家であり、ワンキャリアの取締役を務め、各メディアに「職業人生の設計」「組織戦略」の専門家として登場する北野唯我氏。北野氏の最新刊『これから市場価値が上がる人』で解説されているように、本記事では就職、転職、キャリア設計において、「自分の価値」をどう高めていけばよいのかを、特に転職を成功させるために大切な3つのポイントとして語ってもらった。

「努力だけ」では給料は上がらない

 20~30代の若手の方やこれから転職やキャリアアップを目指す方たちによく投げ掛けられる質問があります。

 それは「市場価値の高い優秀なビジネスパーソンの定義は何ですか?」ということです。まず、この質問への本質的な回答としては、次の2つが挙げられます。

・どこでも食べていける人
・どこに行ったとしても必要とされる人

 基本的に、仕事は誰かに必要とされ成立していくので、特定の会社や人、組織に縛られることなく、どんな状況、環境でも「常に必要とされる自分であること」がもっとも大事だと思います。

「努力する」と「工夫する」の違い

 そして、そのためには「努力ではなく、工夫ができる人」になるということが1つ重要な要素だと思っています。努力するのは大前提としてありながらも、自分の頭で考えて、試行錯誤しオリジナルの手法を見つけることが、確かな結果、成果につながるはずです。

「努力する」と「工夫する」の違いは、本質的な部分で、「勉強する」と「学ぶ」の違いに近いかもしれません。

 では、その違いの根本的なものは何かと言うと、まずは「目標」があるかどうか、ということです。

 教わったことをそのまま行うのは「勉強する」、自分で決めた目標があって、そのプロセスの中で得ていくのが「学ぶ」ということです。

「アセット(資産、財産)を得るために勉強する」という人が多いのですが、本当は「目標を目指して努力する中でアセットを得て、そのアセットをまた別の目標に対して活用する」ことこそ重要。その結果として、私たちは成長していけます。

 たとえば、「甲子園出場」を目指す球児がいるとします。

「自分が甲子園に行くためにはどうすればよいか?」と考え、ピッチングやバッティングを練習するから野球が効率よくうまくなるのだと思います。そうして得た技術こそ、その後の試合でも役立つようになる。

 一方、多くのビジネスパーソンは、まず「TOEICを勉強しよう」などと考えがちです。これは、前述の甲子園の例で言えば、(目標もなく)とりあえず「素振りをしよう」と頑張ることと同じようなもの。

「甲子園出場」といった高い目標に対して、どうすればそれを達成できるのか……と考えるプロセスこそが工夫です。

「とにかく素振りをしなさい」と言われて努力できるのは、「言われたことができる人」であって「工夫できる人」ではありません。

 経営者やマネジメント層、人事、またチームのメンバーからの目線で見たとき、どちらの人と一緒に働きたいかと言えば、間違いなく「工夫ができる人」です。

 もちろん、「言われたことができる人」は必要ですが、これは代替可能です。

 少なくてもビジネスの世界では「努力」よりも「工夫」に価値があるのは間違いありません。

「工夫する」とは何をすればいいのか?

 さて、具体的に「工夫する」方法を考えるときのヒントとしては、まず、目の前の仕事を「Why」と「What」と「How」の3つに分けることから考えてください。

「Why」は志のようなものなので、「なぜ、その目標を達成するのか」ということなので、頻繁に変わるものではないと思います。「会社の売上に貢献するため」「自分のキャリアアップのため」などが挙げられます。

「What」は自身が置かれた状況によっては変わることがあります。営業職でしたら、「何を売るか」が変わることもありますし、マーケティング担当から営業担当に変わるようなケースもわかりやすい例でしょうか。

 そして、「How」を変えることこそ典型的な「工夫」と言えるでしょう。これまではAという営業手法を取り入れていたものの、A´やBの手法でやってみるというケースです。

 この「How」の領域は、それぞれの仕事によって、無数の種類、やり方が存在するかと思いますが、ここでは誰でもすぐに変えることができる1つのコツを紹介します。

 新入社員でも経験が浅い方でも、誰もが「工夫」できるのが「タスクの時間を短縮する」ということです。

 当然、あるタスクを同じクオリティで仕上げられるなら、時間が早い人に仕事を頼みたいと思います。

 たとえば「営業の提案書を作る」「プレゼン資料を作る」「契約書をチェックする」「販売データを分析する」など、日々の業務は尽きません。

 私は若手の頃、「とにかく各タスクの時間を記録する(計る)」ということを行っていました。「これは30分以上かかると思っていたけど、実際は20分で終わったな」というように、細かいタスクも含めて所要時間を洗い出し、データを積み重ねていったのです。

 それを分析してボトルネック(最大の阻害要因)を解決すれば、自ずとタスクを実行するスピードが上がり、早く終わるようになります(そして、浮いた時間は、別のことに使えます)。

これから伸びる会社を見抜く方法

 自分のキャリアを形作る上で大切な視点の1つが「人材の需給バランス」です。需給とは「需要と供給」のことで、わかりやすく大まかに説明すると……

・需要とは「それが欲しい!」と思う人の量
・供給とは「それを与えたい!」と思う人の量

 と言えます。

 そして、両者のバランスが「需給バランス」です。

 たとえば「営業」という職業。

 営業はどの企業、業種にも必要な職種なので、世の中に営業職の需要は大量にあります。採用したい企業がたくさんあるということです。

 その意味では、営業経験が豊富で実績がある人は食いっぱぐねるリスクは低いと言えるでしょう。ただし、採用数が多いからこそ営業経験者は多く、供給数も大量にあります。そのため、需給バランスはほぼ均衡していて、記号であらわすと……

「需要 ≒ 供給」

 というイメージになります。そのため、何かしらの「掛け算」となるような要素を付け加えることが必要になります。

 一方、専門性の高い「弁護士」や「医師」といった職業はどうでしょう。弁護士や医師は国家資格のため供給数がコントロールされています。また、需要数は人口や平均寿命とほぼ比例していると思われます。つまり、需給バランスは……

「需要 > 供給」

 となるでしょう。

 需要に供給が追いついていない専門性の高い職業は、売り手市場。だからこそ、高給になりえるのです。

 とはいえ、今すぐ仕事の需給バランスを変えるのは簡単ではありません(今から急に医者や弁護士にはなれないですよね)。

 とくに若い世代に伝えたいのは、「伸びているマーケット」にできる限り早く身を置くのが重要ということです。