――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター
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米連邦準備制度理事会(FRB)が新型コロナウイルスの感染拡大前の経済から得た教訓は、失業率がインフレを促進することなく歴史的な低水準で推移しうるということだ。だからこそ、FRBは昨年、雇用市場が堅調だからという理由だけで利上げすることは二度とないと誓約した。
ところが、その前提は間違っていたことが明らかになりつつある。そのためFRBは、決して直面したくなかった状況に陥っている。労働市場が2年前の状態に程遠いままでありながら、景気を減速させるために金利を引き上げる準備をしているのだ。