「インフレ局面での正常化」
困難なかじ取り迫られる中銀
バイデン米大統領は11月22日、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長を再任し、ブレイナード理事を副議長に指名することを明らかにした。
正式な就任は米議会上院の承認を経てからだが、この先、新執行部を数多くの難題が待ち構える。
Fed(連邦準備制度)は11月の連邦公開市場委員会(FOMC)での決定を受け、大規模な資産買い入れを縮小に転じるオペレーション(テーパリング)に着手したが、原油価格などが急騰するなか、今回の金融政策正常化は、リーマン・ショック後と違う「インフレ局面の正常化」という困難を抱える。
一方で日本では岸田文雄新政権が、コロナ危機に陥ってから1年半余りが経過した今もなお、超大盤振る舞いの財政運営を続ける構えだ。
“事実上の財政ファイナンス”で財政を支えてきた日本銀行も正常化を検討するそぶりすら見せず、国全体として「出口戦略」に関する議論を完全に封印したままだ。