京王プラザホテルPhoto:PIXTA

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、7〜9月度のホテル編だ。

プリンスホテル、京王プラザ、東急ホテルズ…
業績前年超えでも深い「コロナの爪跡」

 ホテルの主要3社が発表した7〜9月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯プリンスホテル(西武ホールディングス〈HD〉)の宿泊客数
 7月度:前年同月比177.2%(77.2%増)
 8月度:同99.2%(0.8%減)
 9月度:同83.0%(17.0%減)

◯京王プラザホテル(京王電鉄)の売上高
 7月度:前年同月比284.2%(184.2%増)
 8月度:同152.5%(52.5%増)
 9月度:同114.1%(14.1%増)

◯東急ホテルズ(東急)の店舗売上高
 7月度:前年同月比191.0%(91.0%増)
 8月度:同132.6%(32.6%増)
 9月度:同82.1%(17.9%減)

 上記の数字を見て違和感を覚えた人も多いのではないだろうか?

 日本の新型コロナウイルス感染者数は8月には1日あたり5700人を超えた。7月・9月にも1000人以上の新規感染者数を記録した日が何度もある。

 このような状況の割には、7月度はホテル3社ともが前年実績を大きく超えている。8月もプリンスホテルを除く2社が前年実績に比べて業績が大幅増。9月は京王プラザホテルが前年実績を大きく超えた。

 なぜだろうか?これにはデータ上のカラクリがある。