今年の米株式市場で値を上げている銘柄は、ここに来て少数の大手ハイテク企業に範囲が狭まっている。これは、2022年に向けて市場が軟化する兆候かもしれないとの声が出ている。ゴールドマン・サックスのアナリストによると、SP500種指数は構成銘柄のうち超大型株の5銘柄―マイクロソフト、エヌビディア、アップル、アルファベット、テスラ―が、4月以降の上げ幅の半分以上を占めている。年間ベースで見れば(あと数日取引が残っているが)SP500種の上昇率22%のうち約3分の1は、これら5銘柄が稼いたものだ。一握りの巨大ハイテク企業が圧倒的な影響力を持つことは、市場が幅広く上昇した昨年末から2021年初頭にかけての上げ相場からの転換を意味する。アナリストによると、相次ぐ不安の種に直面して投資家の自信が低下する中、過去10年間に人気を集めた取引が再び活気づいているようだ。すなわち、成長を続け、利益を上げている少数のハイテク大手に集中する取引だ。