サウジアラビアで映画館が数十年ぶりに解禁された時、米映画館運営大手AMCエンターテインメント・ホールディングスはすかさずサウジ政府と契約し、映画館にとって世界の最後のフロンティアの一つであるサウジ市場での足掛かりを得た。だがその4年後、AMCはサウジのライバル企業に後れをとっている。世界最大手の映画館チェーンであるAMCにとってサウジは難しい市場となっている。同社は他に大手グローバル企業がない市場で優位に立つとみられていた。AMCの経験は、サウジが法的・社会的に変化して外国企業を呼び込もうとしても、欧米企業にとっては今も難しい市場であることを示している。AMCによると、昨年末までに最大20館の映画館をオープンさせる予定だったが、現在運営しているのは10館、約65スクリーン。競合する主要2社はサウジのMUVIとドバイのVOXシネマ。事業免許を取得したのはAMCより後で、AMCが受けている政府の直接支援を両社は受けていないにもかかわらず、それぞれ約150スクリーンを運営している。