この1年は穀物価格が高騰したことから、米国の農家は記録的な年となった2021年よりもさらに多くのトウモロコシ、小麦、大豆の作付けを目指している。だが、この先の1年には、肥料価格の上昇、さらなる天候不順の予測、そして中国が買い付けを鈍らせかねないという脅威が立ちはだかる。世界的な需要の高まりとインフレを背景に、2021年は穀物価格が数年ぶりの高水準に達し、農家はこの勢いに乗ろうと作付けを増やすとみられている。調査会社IHSマークイットは12月、大豆、小麦、トウモロコシの2022年の作付面積が約2億3000万エーカーと、21年の過去最高水準からさらに200万エーカー増加するとの予想を示した。世界の供給が需要に追いつくにつれ、2022年は穀物相場の勢いが弱まるとアナリストは予想する。相場は21年5月に高値を付けて以降は落ち着いているが、それでも12月27日時点で8年ぶりの高値圏にとどまっている。シカゴ商品取引所のトウモロコシ先物は年初来27%高、小麦先物は25%高となっている。大豆は2014年以来の高値で21年の取引が始まり、年初から5%近く上昇した。
高騰した穀物相場、22年はさらに乱高下か
作付面積は増加の見通し、地政学的要因や気象変動で値動き荒く
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