マーク・ザッカーバーグ氏は、プライバシー保護を重視する人々や、ソーシャルメディアに批判的な親たち、連邦議員らの非難を浴びている。しかし、メタ・プラットフォームズの最高経営責任者(CEO)である同氏は、ある1つの点では理想的な企業経営者だ。ザッカーバーグ氏は、保有する自社株を毎取引日に売却しており、これによって、資産内容の多様化を無作為に進め、インサイダー情報による利得の疑いをかけられる可能性をすべて回避している。もっと多くの企業幹部が彼の手法をまねするべきだ。そして証券取引委員会(SEC)は企業幹部にそれを義務付けるのが賢明かもしれない。CEOの報酬がまず問題になる。報酬が「過大」だというのは間違いではない。しかし、CEOの報酬の主要部分が自社株で支払われていることが、難しい問題を引き起こしている。1990年代初頭に生まれた、株式による報酬というこの考えは、米国企業に革命的変化をもたらした。株による報酬によってCEOの利益と株主の利益が結び付けられたことで、企業を巨大化させたいという誘惑が抑制され、管理職は株主の利益を高めることに精力を注ぐようになった。
【寄稿】ザッカーバーグ氏の株売却手法、全CEOの模範
毎日の売却はインサイダー疑惑回避策となる
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