新型コロナウイルス感染症の治療を変えるかもしれない鮮やかなオレンジ色のカプセルは、コロナ感染が拡大し始めた2020年1月にはまだ注目されていなかった。当時はヒトでの臨床試験は行われておらず、研究室での実験段階ではヒトに投与する場合は大量に摂取する必要があることが示唆されていた。有害である可能性を懸念する科学者もいた。だが、ウェイン・ホルマン氏(49)にはある予感があった。米エモリー大学の科学者が発見したこの抗ウイルス薬は実験で2つのコロナウイルスを撃退していた。新型コロナウイルスにも有効なのではないかとホルマン氏は思った。同氏と妻のウェンディー・ホルマン氏(46)が創業したリッジバック・バイオセラピューティクスはこの薬のライセンスに目を付けた。
コロナ新薬を生んだ夫婦のタッグと直感
大学の研究室で生まれた薬剤の幸運な道のり
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