世界のワクチンメーカーはここ数カ月で、低所得国への新型コロナウイルスワクチンの供給量をさらに増やしているが、その割合は依然として高所得国に偏っている。専門家は、こうした不平等な供給がパンデミック(世界的大流行)を乗り越えるための取り組みを妨げ、オミクロン株のような新たな変異株の出現を許していると指摘している。医療データ会社のエアフィニティによると、世界人口の6分の1を占める米国など高所得国には、欧米の大手ワクチンメーカー4社が製造した59億回分のワクチンのうち、半分近くが供給された。一方、世界人口の約10分の1が暮らす低所得国が受け取ったのは、供給量全体の2%にも満たないという。低所得国へのワクチン供給は着実に進んでいる。エアフィニティのデータによると、こうした国々への供給量の割合は12月に最大となる予定だが、推定3550万回分で、全世界の供給量の6%にすぎない。