世界経済フォーラム(WEF)は毎年、政財界首脳や思想的指導者に向こう1~2年の最大リスクを予想してもらう。2020年初頭、感染症はそのランキングに含まれていなかった。そこに新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が発生し、ここ1世紀で最大の混乱を世界にもたらした。今年初めのリストにインフレが入ることもなかった。だが、インフレは足元、米経済にとって最も悩ましい問題になっている。これはWEFをばかにするものではなく、単にわれわれのリスクに対する考えがいかに欠点だらけかを物語っているにすぎない。リスク予想は直近の事例と新たなサイクル――異常気象はここにきてWEFの脅威リストの常連になっている――に強く影響される。しかしながら、想定外のものが最大の脅威になることは多々ある。
コロナ禍とインフレ、最大の番狂わせに
分断された思想が想定外の事態に必要な柔軟性を指導者・有権者から奪う
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