午後のワイドショー「ゴゴスマ」(TBS系)を、東海ローカルから全国の人気番組へと躍進させた立役者である同番組MCでフリーアナウンサーの石井亮次氏が「話し方の極意」を初めて明かした『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方』が1月12日に発売になった。
上手にしゃべることではなく、相手を楽しませて、場の空気をよくすることを目標にかかげ「他人(ひと)はいじるな、自分をいじれ」「会話は合気道」「究極のほめテク」など、サービス精神にあふれる独特の会話術を披露。話し方で損をしているすべての人の救世主ともいえる本書から抜粋し、具体的な話し方のテクを紹介する。

「あの人、感じがいいね」と言われる人が必ずしていることPhoto: Adobe Stock

「感じがいい人」上位10%に入るには?

「会話」について悩んでいる方は、「出会った人に好きになってもらえるかな」「この人たちの仲間に入れてもらえるかな」「こんなこと言ったら嫌われないかな」というような、不安を持っていることが多いと思います。そんな悩みが一発で解決するすごい手段があります。

 それが「笑顔」です。

 みんな、誰でも持っている。これまでの人生で笑ったことが一度もないという人はいないでしょう。笑顔には、みんな誰でもなれるはずです。この笑顔を自分の「第一印象」にすることが、新しい人間関係を築くスタートにおいて、とても重要なのです。

 笑顔の効果は、驚くべきものです。

 僕は若い頃、街頭インタビューの仕事をした時にそれに気づきました。

 恐る恐る「すみません、●●についてお聞きしたいんですけど……」と言って声をかけてもほぼ、立ちどまってもらえません。でも、満面の笑みで「こんにちはー! ●●について聞いてるんですけど」と言って、マイクを向けると格段に話を聞いてもらえる率が上がる。不思議ですよね。笑顔は、警戒心をふっと解いてくれるんです。

口だけでなく、目でも笑顔の印象を

 たとえば、街中のファミリーレストランで「この店員さん、ものすごく感じいいな」と思える確率って、僕の経験では10分の1くらいです。その1割の人と、残り9割の人は何が違うのか。これはもう明らかで、笑顔と挨拶ができているか、なんです。

 ということは、ちゃんと挨拶ができてニッコリ笑顔になれたら、それだけで上位10%に入れるということです。そうと知ったら、やらないという選択肢はないでしょう。簡単で効果抜群。「やらねば、損、損」です。

 ビルの警備員さんでも、出入りの際に「ニコッ」と笑ってもらえると、それだけでしばらく嬉しいものです。「あの人、感じええ人やな」と笑顔だけで高評価になります。

 笑顔の印象を残す。人間関係の最初の一歩、スタート地点はこれに尽きます。

 そういえば、今も忘れられない素敵な笑顔の記憶は、アナウンサーの夏目三久さん。「あさチャン!」という番組が始まった時に、「朝はあさチャン! 昼はゴゴスマ」というコマーシャルを東京のTBSに撮りに行った時のことです。夏目さんから「ありがとうございます。名古屋から来てくださったんですか?」と、花のような笑顔とともにねぎらいの言葉をいただきました。これが、ものすごく嬉しかったんです。笑顔の効果は絶大。いつまでも、いい印象が記憶に残ります。

 コロナ禍でマスクをつけている今は、いつもよりしっかりと、口だけでなく「目」でも笑顔の印象を残せるように意識するといいかもしれませんね。