午後のワイドショー「ゴゴスマ」(TBS系)を、東海ローカルから全国の人気番組へと躍進させた立役者である同番組MCでフリーアナウンサーの石井亮次氏が「話し方の極意」を初めて明かした『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方』が1月12日に発売になった。
上手にしゃべることではなく、相手を楽しませて、場の空気をよくすることを目標にかかげ「他人(ひと)はいじるな、自分をいじれ」「会話は合気道」「究極のほめテク」など、サービス精神にあふれる独特の会話術を披露。話し方で損をしているすべての人の救世主ともいえる本書から抜粋し、具体的な話し方のテクを紹介する。

「ゴゴスマ」大躍進の秘密!?平成から令和に入ってウケる話し方が変わった

平成は「いじり」、令和は「やさしさ」

 毎年お正月には祇園花月で吉本の舞台を家族で楽しみます。最近になって気づいたのが、ここ数年で急速に「容姿いじり」のようなネタが受けなくなっているということです。たとえば「ブス」とか「デブ」とか「ハゲ」とか……。昔はそういう言葉の言い合いに、子どもたちはもちろん大人も一斉にどっと笑っていたものです。

 でも、最近は同じセリフに対する態度が変わってきました。「え?」という戸惑いが観客席に漂う。「今ここで笑っていいのかな……」と、思わずこっそり周りの反応を確かめるような感じになります。

 世の中の空気というのは時代とともに変わっていきます。

 僕が生まれてからのことだけを考えても大きく変わってきたことに気づきます。「昭和」の半ば頃は“スポ根”がもてはやされた時代でした。今だったらパワハラ間違いなしというような親やコーチ、先輩たちからの圧に耐えて、耐え抜いて、それによって結果的に成功や感動を手に入れるというようなストーリーの漫画やドラマがたくさんありました。そういうのを見てはらはらと涙を流し、主人公の頑張る姿にたくさんの人が胸を熱くしていました。

「平成」に入ると、いつのまにか「ふざける」「いじる」文化が主流となっていたような気がします。「そんな本気にならんでもええやん」と真面目な人をちゃかしたり、いじったり。いじられて笑われている人を見て、周りも笑う。からかう、ちゃかす、毒舌を放つ人たちが面白がられてお茶の間の人気者になりました。

 だけど、令和になって、またガラッと変わりました。今は誰かを笑いものにすることを面白がるのではなく、みんなが平和でおだやかな気持ちでいられることが最優先されている気がします。

 誰も傷つけない、傷つけたくない。傷つけたくないのは、自分が傷つきたくないことの裏返しでもあります。傷つく側にも傷つける側にもまわりたくない、そう考える人が確実に増えているのではないでしょうか。