米カリフォルニア州オークランドに住むジョアンナ・ミラーさん(35)は2020年後半、働き過ぎていた。コロナ禍による孤独感にもさいなまれていた。在宅勤務をしていた仕事部屋の近くで8カ月間も工事の音が鳴り響き、引っ越したばかりだった。クラウドソフトウエア企業アサナの人事部で働くミラーさんは2週間の休みを取った。それでも疲れは取れなかった。「仕事に戻る時が来ても、まだ疲れ切っていることに気がついた」多くの人が離職する中、ミラーさんは代わりに有給のサバティカル(長期休暇)を6週間取得した。新型コロナウイルスの感染拡大から2年近くがたち、労働者はかつてないほど長時間働いている。多くの人が燃え尽きてしまい、長期間休むことがこの上ない気分転換になると考えている。意外なことに、一部の企業はこうした考えに同調している。長期休暇を取得した従業員は、元気になって仕事に復帰し、生産性が向上したと口をそろえる。マネジャーたちは、有能な人材が辞めないか、コロナ禍で従業員の幸せが失われていないか心配する一方、長期休暇が忠誠心と創造性の高まりをもたらしていると感じている。
米企業で増える長期休暇、燃え尽き防止に一役
長期休暇を取得した従業員は生産性が向上したと口をそろえる
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