――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト ***  ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ侵攻に踏み切るかどうかは誰にも分からない。しかし、分断と困惑の中にある欧米同盟諸国が、プーチン氏の攻勢への対処法を知らないことは、ますます明白になってきている。  誇大妄想的な尊大さという自己陶酔の霧の中に迷い込んだ欧米諸国の外交官たちは、過去10年間にわたり、プーチン大統領のことを粗野で乱暴な過ぎ去った時代の遺物とみなしてきた。